伝言ゲーム お題70選|壊れる文の作り方
伝言ゲームの例文を70個、幼稚園児でも通せる短文から早口言葉並みの激ムズ長文まで崩れやすさ順に収録。文章が壊れる理由を「音の近さ」「修飾語の多さ」「主語と目的語の入れ替わり」「数字・固有名詞の消失」の4パターンに整理し、各帯の文をその原理にもとづいて設計した。
伝言ゲームが一番盛り上がるのは、正解が伝わらなかったとき
隣の人の耳元でひとこと伝えて、それを最後尾の人が声に出す。ただそれだけの遊びなのに、伝言ゲームは毎回、最初の一文とはまるで違う結果になって笑いが起きる。真面目に伝えようとした人ほど、なぜか一番おかしな形に変えてしまっていたりする。
似た響きのパーティーゲームに以心伝心ゲームがある。あちらは全員が同じ答えを言い当てる、「揃える」ことが目的の遊びだ(以心伝心ゲーム お題90選|一致率順で盛り上がるで選び方をまとめている)。伝言ゲームはその正反対で、「揃わないこと」そのものを笑う遊びになる。だからこそ、出題する一文の作り方も以心伝心とはまったく別の考え方が要る。
伝言が壊れる仕組みを4つのパターンに整理し、幼稚園児でも通せる短い一文から、大人でも危うい早口言葉風の一文まで、崩れやすさ順に70個並べてみた。
遊び方はこれだけ:1人ずつ・1回だけ・小声で伝える
一列に並んで、先頭の人だけがお題の一文を見る。あとは隣の人の耳元で一度だけ声に出して伝え、聞き逃しても聞き返さずにそのまま次の人へ回す。最後尾の人が聞こえた通りに発表し、先頭の一文と並べて答え合わせをする。
人数は5〜6人がちょうどよい。3人だと変化する余地が少なく、10人を超えると単純に長引くだけになりやすいので、大人数のときは2列に分けてタイムを競う遊び方に切り替えるとバランスが取れる。
お題を声と表情だけで演じ分けて当てる定番「はぁって言うゲーム」。家族でも飲み会でも、開けてすぐ遊べる。
文章が壊れるのは偶然じゃない、4つの壊れポイント
同じ長さの一文でも、最後まできれいに残るものと、見る影もなく変わるものがある。違いを生んでいるのは運ではなく、文の中にある4つの壊れやすいポイントだ。
①似た音の言葉がとなり合っている
「公園」と「講演」、「切手」と「切符」のように、発音が近い言葉が同じ文の中に並んでいると、口の中で音がすり替わりやすい。小声で1回しか伝えられない伝言ゲームでは、この音の近さが一番よく効く仕掛けになる。
②修飾語が多く、情報が渋滞している
「赤くて丸い、少し傷のついた大きなりんご」のように形容詞が連なる文は、伝える側が全部を覚えきれず、印象に残った一部だけを次の人に渡してしまう。渋滞した情報のうち、真ん中あたりの修飾語からこぼれ落ちていく。
③「誰が・誰に」が入れ替わりやすい
2人の人物が登場し、片方がもう片方に何かをする文は、伝える途中で主語と目的語が逆転しやすい。「AがBを助けた」がいつの間にか「BがAを助けた」に変わっていても、聞いている本人はなかなか気づけない。
④数字と固有名詞は真っ先に消える
「三丁目」「五冊」「タロウ」のような具体的な数字や名前は、意味のかたまりとして覚えにくく、真っ先に忘れられるか、別の数字・別の名前に置き換わる。文の骨格が残っていても、細部だけがごっそり変わるのはこのためだ。
短く・簡単(1〜15):幼稚園や低学年でも通しやすい文
主語がひとつ、修飾語もひとつだけの短い文を集めた。上の4つの壊れポイントをほとんど含んでいないので、伝言ゲームを初めてやる子どもたちでも、最後まで大きく崩れずに残りやすい。最初の1〜2周はこの帯から選ぶと、「ちゃんと伝わった」という成功体験から始められる。
- 赤い風船が空に飛んでいきました。
- うさぎが人参をおいしそうに食べています。
- 今日はとてもいい天気です。
- 犬が公園でボールを追いかけました。
- お母さんが台所でカレーを作っています。
- 猫が窓の外をじっと見ていました。
- 明日は待ちに待った遠足です。
- 大きな雪だるまが庭に立っています。
- 動物園できりんが笹を食べていました。
- ぞうが鼻でバナナをつかみました。
- 朝ごはんに卵焼きを食べました。
- 花壇に黄色いひまわりが咲きました。
- 弟がおもちゃの車で遊んでいます。
- 今日の給食はカレーライスでした。
- 池の中に大きな魚が泳いでいました。
ひとひねり(16〜35):小学生高学年・中学生が笑える文
学校や家でありそうな失敗に、小さなオチをつけた一文を集めた。「三日連続」「もう一個」のような数字や「タロウ」のような名前を仕込んだ文は、そこだけがすり替わって伝わりやすい。オチの骨格は残ったまま細部が変わるので、最後の発表で「そこ変わってる!?」という笑いが起きやすい。
- 隣のクラスの担任の先生が、教室の後ろでこっそり居眠りをしていました。
- お父さんが飼っているカメに「タロウ」という名前をつけました。
- 給食のデザートを、こっそりもう一個食べてしまいました。
- 体育の先生が、朝礼のときにズボンを裏表に履いていました。
- 学級委員が、黒板に描いた似顔絵を消し忘れて帰りました。
- お姉ちゃんが、スマホの充電器を三日連続で忘れています。
- 校長先生が、始業式のスピーチで自分の名前を噛みました。
- 塾の帰り道、コンビニで買ったアイスを溶かしてしまいました。
- 修学旅行のバスの中で、酔い止めを飲み忘れて後悔しました。
- 図書委員が、返却日を三日間も勘違いしていました。
- お母さんが、洗濯機の中にスマホを入れたまま回してしまいました。
- 部活の顧問が、練習中にホイッスルをなくして探し回りました。
- 給食当番が、味噌汁の入った鍋をひっくり返しそうになりました。
- 隣の席の子が、消しゴムのかけらでダンゴムシを作っていました。
- テストの答案に、名前の代わりにあだ名を書いてしまいました。
- 遠足のしおりを忘れて、友達に半分見せてもらいました。
- 音楽の先生が、リコーダーの指使いを間違えて笑われていました。
- 塾で隣の席の子が、ずっと貧乏ゆすりをしていて気になりました。
- 掃除当番なのに雑巾を忘れて、ハンカチで床を拭きました。
- 委員会の発表で原稿を忘れて、頭が真っ白になりました。
長い文章(36〜55):難易度高めの挑戦枠
場所・人物・修飾語・行動・相手をひとつの文に全部盛り込んだ、長い文章だけを集めた。修飾語が渋滞するうえに、半数以上の文では2人の人物が登場して片方がもう片方に何かをするため、②と③の壊れポイントが同時に働く。長い文章のお題を探しているなら、この帯が本命だ。
- 隣町に住む出張中の叔父が、雨に濡れながら傘も差さずに郵便局まで走っていきました。
- 三丁目の交差点で信号を待っていたおばあさんに、見知らぬ男の子が落とした手袋を届けてくれました。
- 図書館の二階にある静かな自習室で、眼鏡をかけた受付のお姉さんが分厚い辞書を五冊も運んでいました。
- 遠足で山道を登っていた六年生の男子が、途中で転んだ一年生の女の子に肩を貸してあげました。
- 駅前の花屋の店主が、開店前の薄暗い店内で赤いバラを一本ずつ丁寧に並べていました。
- 隣のクラスの田中くんが、放課後の教室に忘れた筆箱を、わざわざ自転車で取りに戻ってきました。
- 夜遅くまで残業していた課長に代わって、新入社員がお客さんへのお詫びの電話をこっそりかけました。
- 商店街の福引きで一等を当てたおじさんが、恥ずかしそうに周りの人へ小さくお辞儀をしていました。
- 台風で電車が止まった駅のホームで、見知らぬ二人の高校生が同じ傘に入って雨をしのいでいました。
- 動物園の飼育員が、生まれたばかりの子パンダの体重を量るために毎朝そっと近づいています。
- 引っ越してきたばかりの隣人が、挨拶がわりに手作りのクッキーを大きな箱いっぱい持ってきてくれました。
- 病院の待合室で退屈していた小さな男の子に、隣に座っていた知らないおじいさんが絵本を読んであげました。
- 深夜のコンビニで、疲れた顔をした店員さんが、余った肉まんを一つだけこっそり温め直していました。
- 山の頂上で朝日を待っていた登山客たちが、寒さをこらえながら小さな声で歌を口ずさんでいました。
- 結婚式の受付を任された後輩が、ご祝儀袋の名前を読み間違えて上司にそっと直してもらいました。
- 空港の到着ロビーで、五年ぶりに再会した姉妹が荷物を放り出して思い切り抱き合っていました。
- 台所で味噌汁を作っていたおばあちゃんが、鍋の火を止め忘れたまま電話に出てしまいました。
- 雨の日の交差点で、傘を差していない子どもに見知らぬ会社員が黙って自分の傘を差し出しました。
- 夏祭りの屋台で焼きそばを焼いていたおじさんが、慌てて隣のたこ焼き屋にソースを借りに行きました。
- 満員電車の中で席を譲られたおばあさんが、次の駅で降りる青年に何度も頭を下げてお礼を言いました。
早口言葉風(56〜70):大人でも通せたら拍手
前半の5つは、発音が近い言葉をあえて隣り合わせにした自作の一文。後半の10は、昔からある早口言葉を伝言ゲーム用の一文に仕立て直した。声に出すだけでもつまずくような音のかたまりが、耳から耳へ渡っていくうちにどう変形するかを楽しむ、一番むずかしい帯になる。
- 美容院の帰りに病院へ寄ったら、待合室で担当の美容師さんに偶然会いました。
- 公園で開かれた講演会に、地元企業の後援会長が挨拶に来ていました。
- 切手集めが趣味の駅員さんが、休憩中に切符売り場の手伝いをしていました。
- 池で蛙を捕まえた帰り道、いつもと道を変えて近道を通りました。
- 辛い物が苦手な弟が、軽い気持ちで激辛カレーに挑戦して後悔しました。
- 隣の客はよく柿食う客だと、裏庭にいた三羽のニワトリが騒いでいました。
- 生麦生米生卵を、東京特許許可局の受付でこっそり混ぜて食べていました。
- すもももももももものうちだと、青物市場のおばさんが力説していました。
- 庭には二羽鶏がいると言い張る親父を、丁稚が丁重に否定していました。
- 貴社の記者が汽車で帰社したことを、記者本人が満面の笑みで報告しました。
- 坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いたと、隣町の住職が自慢していました。
- 蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、あわせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ跳ねました。
- 竹垣に竹を立てかけたのは、隣の竹屋の主人だと近所で噂になっていました。
- 骨粗鬆症予防のために、老人ホームで急きょ早口言葉大会が開かれました。
- 新設診療所の新人看護師が、新薬の処方箋を新調のカルテに書き写しました。
発表の瞬間が一番笑える、進行のコツ
伝言ゲームの一番の見せ場は、正解を当てることではなく、最後の人が発表した直後に先頭の一文を種明かしする瞬間にある。似ているようでどこかずれた一文が並んだときの「え、そこ変わった!?」という反応こそ、このゲームの一番の目的だと考えていい。
判定に迷ったら、「意味の骨格が残っていれば合格、細部が変わっていても不合格にしない」くらいのゆるい基準にしておくと、その場でもめずに進行できる。人数が多いときは、伝言の途中で1人ずつ紙に書き取ってもらうと、どのあたりで、上の4つのうちどの壊れポイントが働いたのかを後から確認できて、それ自体が答え合わせの話題になる。
カスタムルーレットは、出題者だけが次の一文を知っていられる
この記事を最初から読んだ時点で、70個の文はもう目に触れてしまっている。次に遊ぶときに同じ文をそのまま使うと、答えを知っている人が列に交じった状態で始めることになり、聞き取れた・崩れたを純粋に楽しむという前提が崩れてしまう。
この70個はカスタムルーレットで回す前提で使うと都合がいい。画面を覗くのは列の先頭に立つ出題者ひとりだけ——回して出た一文を黙って読み、あとはいつも通り耳打ちで流していく。
今日一番笑えたのは、たぶん一番崩れた一文
最後に発表された答えが最初の一文とぴったり同じだった回より、見事に崩れた回の方が記憶に残るのが伝言ゲームのおもしろいところだ。伝わらなかった一文は、その日のうちに「あの伝言、ひどかったね」という新しい話のネタになる。
笑い疲れたあとの普通の雑談には、日常・ファミリー向けの話題ページが控えている。
この記事を書いた人
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